ここ最近、ヴィンテージ古着という概念が変わってきている。年代のヴィンテージブームを経験した世代の中でスペシャルといわれていたものは、2020年代に入ってからはすでに幻に近い存在となってしまった。時の経過とともに古い年代に作られたものが流通することはどんどん減っていき、1950年代以前に作られたもの自体が、いまではスペシャルな存在になりつつある。そんな時代だからこそ、ウエアハウスがヴィンテージの希少種を“完全再現”する意義は大きい。そんな希少なものが、かつてこの世に存在していたという事実を後世に残すことができるからだ。今月紹介するジャケットは、まさにそんな希少種である。もともと製造された期間が短いため、残存数を考えると入手機会はかなり少ないといえるが、「ヴィンテージの実物をしっかり解析しなければモノづくりはできない」という信念のもと、これらも実際に実物を入手して徹底的に解析。それらが作られた歴史的な背景も調べ上げることで、当時の空気感をもまとった“復刻”が成し遂げられる。この希少モデルを、ぜひ自らの手に取って作り手の想いまで感じていただきたい。
製造年数が極めて短いといわれるライナー付きの1stモデル。もとにした実物の個体はT字のスプリットバックで褪色したピスネームが付くモデルだった。ライナー付きのデニムジャケットは、歴史的には他社が1930年代から作っていた。当時のエーボンデール社のブランケットは、ウールの混率の高さを誇っていたが、その反面縮率が問題になっていたようで、デニムジャケット自体とライナーの縮率を考慮し、内張の裾をフラシ(縫い付けずに浮かしておく仕様)にしていた。その後トロイブランケットで知られるメーカーではウール・コットン・レーヨンの混紡になり、以降は化繊素材が使われ、縫製仕様も変化した。今回リリースする1stモデルのブランケットライナーは、その色合いや肌触りに加え、デッドストックブルーのデニムと同時に褪色していくバランスも考慮し、ウール82%・コットン18%で構成している。
もとにした実物にならい、褪色したレーヨン100%の先染めピンクピスネームが付けられている。デニムが褪色していくとさらに雰囲気が引き立つだろう
革ラベルはベジタブルタンニングによるディアスキンを使用。ヴィンテージのようにエイジングが楽しめる
ブランケットは、ウールをトップ糸(紡績の段階で染めたウール)で織られているため、初期段階では濃く、デニムの色落ちとともに褪色していく
このライナー付きの1stモデルが作られた1950年代初頭は、針なしのバックルが使われていたが、それを完全再現したものを使用している
PRICE:55,000円+tax SIZE:36,38,40,42
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