ウエアハウスでは、昨年からデッキジャケットの系譜をシリーズ化している。デッキジャケットとは、第二次世界大戦期、波や風雨にさらされながらアメリカ海軍の兵士たちの防寒を担保したヘビーデューティなジャケットのことである。その最大の特徴は、なんと言っても高密度のセルビッジジャングルクロス。打ち込み本数(1インチ=2・54㎝四方のタテ糸とヨコ糸の合計本数)が約300本もあり、1時間に1mも織ることができないという高密度生地は、着込むことでデニムジャケットのように腕のシワや縫製箇所のパッカリングが生まれる。そして、このジャングルクロスは硫化染め。日常的に着用しているうちに、独特のフェードが生じるのも大きな魅力となっている。 今月は、数シーズン着込んだことでヴィンテージさながらにエイジングした『デッキフック』モデルを筆頭に、ウエアハウスが展開する至高のデッキジャケットシリーズの全モデルをお見せしよう。
NAF1168アヴィエーターと同デザインだが、こちらはメルトンウール裏地のデッキクルー用。コーストガードで採用された『7フック』と呼ばれるモデルだ。硫化染めした高密度セルヴィッジジャングルクロスで、背中にはU.S.NAVYのリフレクタープリント入り
ハリのあるウールリブは、着込むことでドライな質感と艶感が生まれ、少し柔らかく変化。この絶妙なドレープ具合もヴィンテージ同様だ
裏地のメルトンウールもヴィンテージ同様に目が詰まった防寒性に優れたもの。ドライなのに艶感もある独特の表情に変化
こちらは7フック仕様で通常の6フック仕様と形状も異なる。エッジ部分の塗装が剥がれて真鍮の地金が顔を出す
PRICE:97,000円+tax
SIZE:36,38,40,42,44
N-1以前のデッキジャケットは、大戦初期に艦船の甲板で作業するクルーが着用。このコントラクトナンバーは1943年9月に契約完了した記録があり、ハンティングウエアで有名なニューヨークの『Drybak』社が製造した。フック形状は片側がアイレットではなく両面が同じプレート形状だ。硫化染した高密度セルヴィッジジャングルクロス×メルトンウールライニング仕様で、U.S.NAVYのリフレクタープリント入り
PRICE:97,000円+tax
SIZE:36,38,40,42
1945年に納入された後期型のN-1Winter Jacket。製造はニューヨークの『Cornelius Weiss』社と記録がある。背面のステンシルは1942年に進水したUSSサンフィッシュ(SS-281)のもので、1945年12月26日に退役した後、1949年4月に海軍予備訓練艦として1960年まで活躍した。硫化染めした高密度セルヴィッジジャングルクロスにアルパカファーライニングが付く。TALONジッパーとナットボタンも装備
PRICE:137,000円+tax
SIZE:36,38,40,42,44
『Cornelius Weiss』社が製造した1945年納入の後期型。胸の馬革のネームプレートと背中のステンシルからUSSベルトラミ(AK-162)の乗組員のものだと分かる。硫化染めした高密度セルヴィッジジャングルクロス×アルパカファーライニング仕様でTALONジッパー、ナットボタン装備
PRICE:137,000円+tax
SIZE:36,38,40,42,44
1945年納入のN-1 Winter Jacket後期型。『Cornelius Weiss』社が製造した。硫化染めした高密度時セルヴィッジジャングルクロス×アルパカファーライニング仕様で、デッキクルーからも人気があったため、大戦後も着用された。TALONジッパー、ナットボタンも装備する
PRICE:135,000円+tax
SIZE:36,38,40,42,44
N-1 Winter Jacketは1943年に正式採用されたが、その直前のプロトタイプがこのNAF1168。NAVAL AIRCRAFT FACTORY=海軍専用の飛行機工場の工員が着用した。硫化染の高密度セルヴィッジジャングルクロスにアルパカファーライニング仕様。TALONジッパーとナットボタンを装備
PRICE:135,000円+tax
SIZE:36,38,40,42
NAF1168と同仕様の異色のN-1だ。防寒性、耐久性、細部の簡素化が図られる前のもので、ブルーの高密度セルヴィッジジャングルクロスにアルパカファーライニング仕様が特徴。1943年に『Drybak』社が製造し、翌年にカーキに色変更された。TALONジッパー、ナットボタンを装備
PRICE:136,000円+tax
SIZE:36,38,40,42