グリーンバウムブラザーズによって19世紀後半に作られた小さなパンツがここにある。営業マンが持ち運ぶイミテーションの平面的なミニチュア=セールスマンサンプルではなく、こちらは人が穿ける仕様になっており、ポケットにも袋地が付く。大人用と同じしっかりした作りのものだ。
実はこれ、『First Pair of Pants』と呼ばれるもので、主に出産祝いとして「1年後に足を通せるように、健康に育つことを祈る」といった願いを込めた縁起物として販売されていたもの。これが作られた19世紀は、まだ子供服という概念が存在しなかった。「子供=生まれて間もない体の小さな人間」という考え方で、保護すべき存在であることは認識しつつも、大人と同様の扱いを受けていたわけだ。そのため、できる範囲で大人と同じ職場で労働に従事する子供もたくさん存在したわけだ。
そんな当時の社会を裏付ける『First Pair of Pants』は、グリーンバウムの象徴である革の補強なども大人用と同じで非常に凝って作られている。東海岸で生地調達と縫製をし、西海岸で販売していた同社の歴史的な1本を忠実に再現した。
グリーンバウムを代表するウエストオーバーオールが、この3ポケットタイプのもの。1874年にパテントを取得したリベット箇所を革で補強する仕様をはじめ、コインポケットがなく、立体的なL字形状になったフロントポケットも特徴的だ。ダックストライプ生地は、フランスからニューヨークに輸入されたものだろう。グリーンバウムは当時輸入業も行っていた。そんな非常に希少性の高い1本を生地から完全再現した
PRICE:NON WASH 39,000円+tax, ONE WASH 40,000円+tax
SIZE:28,29,30,31,32,33,34,36,38
デニムジャケットの起源といえる、19世紀後半のショートタイプのブラウス。直線で構成された方のラインは、袖山のない状態のため、着用すると自然と肩が落ち、脇下に生地が蛇腹のように溜まるのも特徴的。左右対称の胸ポケットが配されているのも、当時のワークウエアでは珍しい仕様だ。穴かがりのボタンが付く前立ては、身頃のネムリ穴(シャツ穴)は縦方向、帯部分のみ横方向に開けられている。独特のドレープ感とエイジングを楽しめる希少な1着だ
PRICE:NON WASH 42,000円+tax, ONE WASH 43,000円+tax
SIZE:36,38,40,42